TASCAM US-366 が気になってしょうがない


わたくしの場合、ライブ配信でUSBミキサーを使っています。複数のゲストと一緒に配信することがあるので、マイクも複数使う。番組を盛り上げるのにエフェクターを使いたいわけですが、今持ってるミキサーには残念ながら入ってないんですよ。練習スタジオなんかだと、エフェクターとミキサーがあるのでそれを使うんですけれど、でもいつでも使えるわけじゃない。そんなわけで、手ごろで使いやすいエフェクター入りのミキサーかUSBオーディオインタフェースが発売されるのを待ってたんです。いつも機材を持ち運んでるから、でかいやつは却下。

最近いろいろと発売されはじめて、まだどれにするか悩んでるんですね。今回はその悩みの過程をちょっとご紹介してみようかと思います。

TASCAM US-366とは?

TASCAM は 音楽系に強いオーディオメーカー TEAC のプロフェッショナル向けブランドです。プロ級の素晴らしいオーディオ機器を安価に発売する日本が誇るブランドのひとつ。TEACはコンピュータ周辺機器部門も持っており、コンピュータミュージックの分野でもTASCAMブランドで先進的な製品をたくさん生みだしています。そんな TASCAM が満を持して発売した最新の USBオーディオインタフェースが US-366/US-322 です。意欲的なワンランク上の設計なのに価格はぐっと抑えられていて、ライブ配信にも大活躍できるすばらしい機能と性能を備えているのです。

http://tascam.jp/product/us-366/

デジタルミキサー・エフェクター内蔵!

なんと言っても一番気になる点は、このコンパクトさの中にデジタルミキサーとエフェクターを内蔵しているということです。

音楽制作の場合、エフェクトはDAWのVSTプラグインなどを使ってあとでエフェクト加工すればいいので、ミキサーにエフェクターが入っていなくても問題ないわけですが、ライブ配信に使うときにDAWをエフェクター代わりに使うのは負荷の高い処理で危険です。ライブ配信という負荷の高い処理とDAWを一緒に動かせば、CPU負荷の上昇を招きます。それに、エフェクト後の配信音は、モニタリングすると遅れて聞こえてしまいますので、それを聞きながら配信することができません。配信専門の担当エンジニアがいれば任せることができますが、そうもいかないときには、生音とエフェクトのかかった配信音の両方を確認しながらの配信。しかも、ライブですからエフェクトをかけ忘れたり、タイミングがずれたりといったことが起きます。

そんなわけで、ライブ配信でエフェクターを使うときにはVST等のソフトウェアではなく、ハードウェアのエフェクターが使いやすいのです。

エフェクターを内蔵したオーディオインタフェースとなると、ベリンガーのQXシリーズなどのUSBミキサーか、M-AUDIO Fast Track C400(リバーブとディレイのみ、販売終了?)、PreSonus AudioBox 22VSL(リバーブとディレイのみ)あたりか、さらに上位の MOTU 828mk3 Hybrid USB2.0/FIREWIRE両対応オーディオ・MIDIインターフェイスFocusrite Saffire PRO 24 DSP オーディオインターフェイスRME FIREFACE UCX + Remote Controlという具合にプロ用機になってしまい、10万円もする。ワードシンクやADATインタフェースなど本格的なスタジオで役立つ機能は、個人で利用するには全く必要がないものですしね。

そんなわけで、実際に比較対象になる機種となると、PRESONUS AudioBox 22VSL あたりしかなさそうです。そこで、ここにベリンガーの QX1002USB を加えて、ライブ配信の視点で比較してみましょう。

性能ではUS-366で間違いなし

まず、気になるスペックだけを取り出して表を書いてみたのがこれ。

PRESONUS TASCAM BEHRINGER
AudioBox 22VSL
US-366
US-322
QX1002USB
参考価格
サウンドハウス
¥16,300 ¥17,800 ¥14,800 ¥11,800
サンプリング
周波数(KHz)
44.1/48
88.2/96
44.1/48
88.2/96
176.4/192
44.1/48
88.2/96
44.1/48
サンプリング
ビット数
24 16/24 16
マイク入力 2 2 2
マイク入力
S/N比
98dB、+4dBu 98dB以上 107dB(A)
110dB
(+22dB)
歪率 0.005%、0dBu、1kHz、
UG、20kHz BW、A特性
0.0045%以下 0.006%
0.005%A
エフェクト リバーブ
ディレイ
リバーブ
コンプレッサー
ノイズサプレッサー
EQなど
(エフェクトは、
44.1/48K時のみ)
リバーブ
ディレイ
モジュレーション
SFX
EQ
USB入/出力 2/2 2/2
6/4
4/6
(モード切り替え)
2/2 2/2
インタフェース USB 2.0 USB 2.0 USB
ASIO 対応 対応 対応
MIDI × ×
電源 USBバスパワー USBバスパワー ACアダプタ
±14.8V

(参考価格は執筆時点のものです)

サンプリング周波数、ビット数、チャンネル数などを見れば、US-366の優位性は明らかです。QX1002USBのS/N比が他より良いように見えるのは、ACアダプタで±14.8Vを供給されていて最大出力電圧がUSBバスパワーの機種に比べて大きいから。実力は大差ないはずです。いやむしろ、デジタルミキサーを内蔵してるAudioBox 22VSL、US-366/322 のほうが音が良い可能性が高い。QX1002USB はデジタルエフェクターを内蔵してはいますが所詮アナログミキサーです。US-366のマルチチャンネルで音楽制作に適したモードと、ステレオミックスでデジタルエフェクターが使えるライブ配信向けのモードの2モードの存在は、US-366 の応用範囲を大きく広げているといえるでしょう。

でもライブ配信には触れるミキサーか?

性能面、機能面ではUS-366で決まりだと思います。だけど、私はまだ迷っているのですよ。なぜかというと、ライブ配信の「現場」にはやはり手で触れるミキサーの安心感が欠かせないからです。US-366のミキサーはパソコンで操作します。でも、私はライブ配信中にはできるだけパソコンを触りたくないんですね。配信中って、自分で喋って、エフェクトかけて、BGMの音量を調節してって忙しいんですよ。その忙しさで、わやわやしているときってマウスでちょっと調整とか、そういうこと自体が煩わしい。ですから、多少音が良くなくても手で触って確かめられるミキサーが安心なのです。

もちろん、パソコン操作にストレスを感じない慣れた人なら応用範囲が広く、性能も上のUS-366が良いと思います。こればっかりは、自分の目的に沿った使いやすさを基準にしたほうがいいと思うのです。

それからUS-366を買う人にもうひとつだけアドバイス。さっき書いたように、US-366には2つのモードがあります。このモードの違いを理解するには、取扱説明書(PDF)のブロックダイアグラムを理解しておく必要があるんですね。ライブ配信で使うときは、ステレオミックスモードを使うことになると思います。ブロックダイアグラムを眺めてなんとなく理解できないと、使いこなしは難しいかもしれませんよ。

さて、あなたはこの中だったらどれを選びます?

TASCAM US-366
TASCAM US-322Behringer QX1002USB

PRESONUS AudioBox 22VSL


参考

  • 藤本健の“DTMステーション”
    http://www.dtmstation.com/tag/US-366

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